

登山・の故障・ケガ
詳細解説
登山の整体院では、さまざまな登山傷害に対する最適な施術と、改善のための個別アドバイスをおこなっています
足首

捻挫(ねんざ)
捻挫は治ったが腫れや痛みが残る
長く歩くと痛くなってしまう
捻挫グセ
捻挫(ねんざ)とは、関節つなぐ組織である”靭帯(じんたい)”が、伸ばされすぎたり、断裂したりする怪我です。関節本来の可動範囲を超えた想定外の動作や、外部からの強い衝撃によって起こります。
足首関節は身体バランスを保つ上で重要で、捻挫を起こしやすい部位です。
・・・捻挫すると以下の様な変化が起きます。
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靭帯の損傷: 捻挫の程度によって、靭帯が部分的に損傷したり、完全に断裂したりすることがあります。
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出血: 過伸展した関節周辺の血管が損傷し、出血によって関節内に血腫が形成されることがあります。
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炎症: 損傷を受けた組織を修復するため、炎症反応が起こり、腫れや痛み、熱感が現れます。
RICE処置
受傷直後の対処法として、”RICE(ライス)”があります。”RICE処置”は、応急処置の基本中の基本です。捻挫に限らず、多くの場面で役立ちます。ぜひ覚えておきましょう!
”RICE”を頭文字とする4つの処置があります。
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Rest(安静): 患部を安静にします。不用意に動かしたり、刺激を加えないことです。
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Ice(アイシング): 冷やして腫れや痛みを軽減します。氷水がいちばんですが、山では濡れタオルくらいしか用意できないことが多いです。運良く沢や雪渓があれば積極的に冷やしましょう。「ヒヤロン」等アイスパックを持っていくのが理想です。
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Compression(圧迫): 圧迫で出血を止め、腫れを軽減します。テーピングテープや包帯の固定は圧迫の効果あります。ただし、強く締め付けると循環障害を起こし、強い痛みや、壊死のリスクもでます。医療機関までのアクセスタイムが長い場合、感覚麻痺や指先の変色がないか…など、定時観察が必要です。
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Elevation(挙上):患部を心臓よりも高い位置に上げ、腫れや内出血を軽減します。
・・・以上が応急処置の基本、”RICE処置”ですが、現実には、足首の捻挫の場合、テーピングテープでの固定がもっとも有効です。
足首では一般的に、38mm幅のホワイトテープ(通常に伸びない白いテープ)を用います。
正しい固定法は、38mmのホワイトテープを一本使い切るまで練習すれば、誰もが身につけることができます。いざというときのために、ぜひ練習しておきましょう!
捻挫の標準治癒期間
捻挫の治癒期間は、損傷の程度により大きく異なります。
損傷のない、急性炎症のみの軽度の捻挫であれば、数日で症状が改善することもあります。反対に、大きな損傷をともなう重度の捻挫では、数ヶ月かかることもあります。
一般的には・・・
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受傷後3週間〜6週間で運動の再開(これは完全復帰ではなく、ごく軽い運動の再開を意味します。)
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受傷後3ヶ月前後でおおむね平常状態に回復
…というのが平均的です。
登山の再開については、慎重な判断が必要です。
焦って治らないうちに山へ行き、下山中に腫れて歩けなくなったり、不安定な関節で支えきれず再び捻挫してしまう、・・・そんなことになったら目も当てられません。
痛みや腫れがひき、関節が安定したら、ごく易しいハイキングから少しずつ再開することが大事です。
回復後の注意点
捻挫は、正しい対処をしないと、関節がゆるい状態で治ってしまうことがあります。そうすると、その後も関節が不安定なままになってしまい、”捻挫ぐせ”がついてしまいます。
また、そのような状態は、関節周辺に疲労やストレスが集中しやすいため、慢性痛や関節炎の原因となることもあります。適切な対応と、再発防止が重要です。
代表的な後遺症
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慢性痛:捻挫が治った後も、長期間にわたって痛みや腫れが残ってしまう。
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関節の不安定感:関節がぐらつき、思い切り動けない感覚が残ってしまう。捻挫再発のリスクも高異状態です。
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関節炎:繰り返しの捻挫や、適切な治療が行われない場合、関節炎を発症する可能性があります
・・・登山中の捻挫にはいくつかの特徴があります。
登山中の足首の捻挫の特徴
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重症化しやすい
下山まで安静を保つことが難しく、重症化しやすいです。また、不安定な地形、荷物の重さ、長時間の歩行などの登山環境は、重症化の要素を多数抱えています。
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適切な対応が難しい
山中の捻挫では、下山までの自己対応が基本となります。医療機関に掛かるまで適切な処置ができず、症状が悪化するリスクがあります。
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合併症のリスク
捻挫に加え、骨折や脱臼を併発したり、低体温症や脱水症など、他のトラブルに発展するリスクも高いです。
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救助が必要になる場合も
重症の場合や、自力下山できない場合、救助要請が必要になることもあります。
登山中の捻挫の原因
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足場の悪さ
岩場、ぬかるみ、雪上など、足場が悪い場所での転倒
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荷物の重さ
重い荷物を背負うことでの足首への負担増加
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疲労
長時間の歩行による疲労で、足首の安定性が低下
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不適切な靴
サイズや足形が合わない靴、ルートや力量に合わない靴を履いている場合
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ウォーミングアップ不足
体が冷えた状態でいきなり運動を開始した場合
登山中の捻挫の予防策
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ウォームアップ
登山前に、ウォームアップを十分に行い、下半身の筋肉の反応をよくする
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適切な靴選び
荷物の重さ・コース・技量…に合った登山靴を履く
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テーピング
事前に足首にテーピングを巻いてサポートする
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休憩
定期的に休憩を取り、疲労を溜めない
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トレッキングポールの使用
トレッキングポールを使うことで、バランスを保ちやすくなる
捻挫後・・・復帰までのポイント
一定期間は日常も固定して安静を保つことが重要です。「だましだまし」足首を酷使してしまうと、慢性痛につながったり、関節の不安定感が残ってしまいます。
痛みに関しては、自己判断で安易に鎮痛剤などを使わないほうが良いでしょう。医師とよく相談し、どうしても必要な場面でだけ使うことが重要です。
薬物で痛みを一時的に抑えることはできますが、それは「治った」こととはまったく違います。その点を理解して使うことが大切です。
風邪で例えてみると・・・
風邪のときに解熱剤を飲むと熱が下がります。でも風邪が治ったことにはなりませんね?熱が下がっても、本当に治るまでは休まなければなりません。
足首の痛みも似ています。
例えば湿布についても、これと同じように考えないと失敗します。薬で痛みを抑えて山に登ったら、薬が切れたとき更にひどくなってしまうのです。
身体は相当ひどくなるまで我慢してくれます。
しかし、それをいいことに無理を続ければ、ちょっとしたセルフケアなどでは、まったく痛みが引かなくなってしまいます。これが「慢性痛」です。
さらに、足首の痛みの原因になるのは、足首周辺の筋肉だけではありません。
股関節やひざが正しく動いてくれているか?・・・これも重要です。
股関節の周りには
数多くの「インナーマッスル」があり
下半身と上半身をつないでいます
股関節周りには数多くの「インナーマッスル」があり、それらが下半身と上半身をつないでいます。無理な動作の繰り返しにより、それらの筋肉に疲労が溜まり、足首のストレスを増やしているケース。これはとても多いです。
足首の慢性痛の根本には
筋肉のコリがあります
足裏・ふくらはぎ・すね…などの筋肉が固いまま歩行を続けると、痛身が出やすい状態になります。
登山の整体院では、さらに、頚椎〜骨盤の筋バランス調整と、膝・股関節関節の周辺の筋・筋膜リリースにより、下半身全体の安定を整えていきます。
足首の不調のある方は、腰や骨盤周り・また頸部(首)などにも、問題を抱えていることが多いものです。
部分的な対処で良くならない場合は、痛みの根本原因になる部位にアプローチし、筋肉のコリの原因部分からサポートします。
登りながら治したい!
山が好きなら、誰しもそう思います。ただ、スポーツを続けながら身体をよくしていくのは難しいものです。ただし、登山の整体院では、一定の条件のもとで、
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ひどい慢性痛 : 週1回程度
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軽い慢性痛 : 月2回程度
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改善後の再発防止 : 月1〜2回程度
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ケガの場合 : 基本的に一定期間の休息が必要
…の通院を目安に、「登りながら改善するプラン」もご提案させていただいてます(*身体の特性や、症状によって進め方は異なります)。
改善に”魔法”はありません
改善に”魔法”はありません。なぜなら、特に慢性痛は”生活習慣による故障”だからです。月に1〜2回程度の通院では、「登りながら改善する」のは難しいです(*取り組み方によっては、可能な場合もあります)。
中途半端な対応は
ある程度よくなっても持続しません
中途半端な対応では、ある程度よくなっても持続しません。通院をやめた途端にぶり返し、努力が水の泡になってしまうのです。強くなるため、楽しく登るため、ときには普段とは違った努力が、やはり必要です。お互いに協力しながら、時間を作っていきましょう。
登りながらの改善には
徹底したセルフケア習慣が必須です
山に登りながらの改善には、徹底したセルフケア習慣が必須です。施術で改善しやすくなった身体を、次の来院まで維持する必要があるからです。毎日欠かさず正しいセルフケアを続けることが前提です。
登山の整体院では、あなたに合ったプランをご提案しながら、毎日できるセルフケア法も随時お伝えします。
① 施術
② 適切なセルフケア法
③ 日常でできる取り組み指導
これら3つで
”ぶり返しのない復帰”
をサポートします!